「孫の代まで続いてくれないと困る」
志津川湾周辺で秋サケやタラの刺し網漁をやったり、イサダやコウナゴを獲ったり、遠くは北海道まで行ってカジキを突いたりもしています。遠く外洋まで出ますし、船の上で2〜3泊することもあるので、とにかく丈夫で安心できる船じゃないと。FRPは耐用年数が長いから助かるね。
この船は平成元年か2年か、その頃に志津川造船で造ってもらったんだけど、その頃からずいぶんと格好は変わってきたね。そういえば最初に買った船は中古船だったけど、それも志津川造船製だった。いろいろな種類の漁をするから、そのたびに艤装を変えなきゃいけなくて。自分で変えられないものもあるから、志津川造船にはとてもお世話になっているよ。
うちの船は外見には特にこだわっているし、他の人が新しい改造をして良いところがあればマネするし、船の姿は年々変わっていくね。常に最先端で、乗り心地よくいられるように。なので造船所が無いととても困るね。
震災があって津波が来る前に息子が船を沖出しして、そのまま2日くらしてから帰ってきて、なので船は無事だったんだけど。だいたい半年に1回は船を上架して船体の掃除やメンテナンスをするんだけど、震災の後は造船所も被災してそれがしばらくできなかったから、船の底がとても汚くなって。その時は仕方なく気仙沼へ行ってやってもらったんだけど、やっぱり身近に無いと困るんだよね。
うちは私で4代目の代々漁師なんだけど、息子たちも一緒にやっているし、もう孫もいて6代目までは安泰なので、造船所がいつまでも続いてくれることを願っているよ。
喜代丸（9.7t漁船）
船主 阿部浩さん
刺網漁・引網漁・突きん棒漁など
